今回お伝えしたいのは、「何となく違和感を感じたら、当初決めたルールを破る選択肢もある」という話です。
ある程度FXに慣れた方の勝率向上につながる「センス」の話です。
「センス」という言い方をしたのは、数値やチャートの形状などの明確な基準を示して説明するのが難しいからです。
FXの基本は「ルールを厳守すること」
FXトレードの鉄則として「一度決めたルールは、変えない」というものがあります。
ポジションを持つ前の段階で、トレードの方針を決定し、それに従って淡々とトレードを完了するべきです。
「ここまで価格が下がったら、買いポジションを持とう。そして、そこからこの価格まであがったら一旦利益確定しよう。逆に、上がることなく、下がり続けたら、この価格になった時点で損切りしよう。」 といった感じです。
しかし、ポジションを持った状態でチャートを見ていると、事前に決めたルールを破りたくなる場合があります。
大きく動くチャート、そして、目まぐるしく変する動損益に冷静さを失い、 「利益が出てきた。でも、また逆行して、利益がなくなるかも・・・」と感じてちょっとした利益を確定したり、 「逆行してきた。トレードルールが間違っていたかも・・・」と思ってすぐに損切りしたり、逆に、 「損切りしようと思っていたところまで逆行したけど、勇気が出ない・・・」となって損切り注文をキャンセルしたり、思わずルールと違うことをやってしまったことはありませんか?
こういう行動をしてしまうのは、人間の心理として自然なことなのです。
人間には「目先にある利益を重視したり、目先の損失を回避しようとする」性質があります。
これはプロスペクト理論で説明されています。
詳細は、プロスペクト理論によるFXの失敗例と克服方法で説明していますので気になったら読んでみていただければと思います。
このような性質があるため、少し利益が出始めると目先の利益を重視してしまい利益確定したい衝動にかられます。
また、損失を回避するため、損切りせずに損失の確定を先送りにしたり、ほんのちょっとの評価損失で損切りしてしまったりします。
初心者の場合、特に損切りについてルールが守れないことが多いです。
評価損にビビってしまい、我慢して持ち続けていたら利益になっていたトレードを、早すぎる損切りで損失を確定してしまうことがありがちです。
このようなことを繰り返していると、損切り貧乏になる可能性が高いです。
損切り貧乏とは、早すぎる損切りを続けたことにより、利益が増えずに損失だけが増えてしまった状態です。
繰り返しになりますが、
FXトレードの鉄則として基本的に当初決めた損切りラインまでは耐えることが大切です。
評価損失が発生しても、気にしてはいけません。
チャートは上下しながら動くものです。
なので、チャートの性質上、一時的に評価損が発生するのは、自然なことなので我慢するべきなのです。
このように、FXトレードで勝っていくためには、ポジションを持った後に評価損失が発生し、不安に駆り立てられても、当初の想定したルール通りに対処する必要があります。
ルールを破る選択肢も・・・
しかし、今回説明するのは、それと矛盾する内容です。
「何か不安を感じたら、ルール違反であっても、さっさと切ってしてしまう選択肢もあります」というお話です。
ポジションを持っている状態で、チャートを見ていると、それまでのレンジとは異なる勢いや動き方をし始めるなど、「何となくこれまでと違うな」と感じることがあります。
例えば「戻ることなく、そのまま逆行し続けそうな急な変動」、「勢いは無いが、じりじり逆行し続けるような動き」といった感じでチャートの動きに違和感を感じたことはありませんか?
そういう時には、損切り水準に達していなくても、さっさと切ってしまうのも悪くはないということです。
その後、反転して利益に変わることもあると思いますが、それはしょうがないです。
違和感を感じて逃げたことで、リスクを軽減できていればそれでメリットがあったのです。
いろいろな人のトレード動画やブログを見ていると、
「なんか思った感じと違うんで一旦切ります」とか、
「まずそうな雰囲気になってきたんでちょっとここで逃げます」
といったフレーズを耳にすることがよくあります。
当初想定したプラン通りではないですが、なんか違和感を感じて、一旦逃げている場面です。
これが「センス」です。
このようなセンスを磨くことで、勝率を高めたり、損失を軽減するのにつながる可能性が高いです。
ただし、決して必須のテクニックではありません。
これは「より良いトレード」をするためのテクニックです。
このようなテクニックを使用せず、ポジションを持ったら、当初想定した損切りラインまで持ち続けていても問題ありません。
そこで損切りになっても、当初の計画通りなので、まったくダメージは無いのです。
まとめ
今回は、違和感を感じたときにルールを破るのが良い場合もある、という話をしました。
繰り返しになりますが、初心者の頃は、あまりこのようなことはしない方が良いです。
早すぎる損切りを続けてしまい、損切り貧乏になる可能性が高いです。
なので、初心者にはこのようなやり方はお勧めしません。
いろいろな経験をして、ある程度FXに慣れてきた人向けです。
どれくらいの期間、FXを経験した人が「ある程度FXに慣れた人」なのかは人によりますが、私的には3年くらいたったころから、なんとなく違和感を感じることができるようになったような気がします。
なので、それまでは「当初決めた損切りラインできっちり損切りする」という戦略で問題ありません。
それが鉄則です。
これは簡単そうに感じて、難しいです。
まずは、この戦略をきっちり繰り返すことができるようになりましょう。
そして、経験を積んでいくと、今回紹介したような「違和感」を感じることができるようになります。
その「違和感」をうまく使えるようになると、勝率が少し上がりますよ、というお話でした。
トレードの結果って、どのように切るか、ちゃんと切るかが大切です。
今回の記事を、まとめると、以下のようになります。
- 当初決めた損切りラインまで我慢しましょう。
- 経験を積んでくると違和感を感じることができる。その場合は、切ってしまうのもよいでしょう。
- 初心者がやると「損切り貧乏」になる可能性が高いのでやめましょう。