FXトレードで、安易にポジションを持ってしまう「ポジポジ病」。
初心者だけでなく、ある程度結果が出始めた中級者にも起こりがちな症状です。
この状態になってしまうと、FXで利益を残し続けるのが難しくなります。
さらに、大きな損失を作ってしまい、退場を余儀なくされる可能性が高いです。
今回は、ポジポジ病にかかる原因と、それを解消するための対策や考え方を紹介します。
ポジポジ病とは?
ポジポジ病とは、ポジションを持っていないと気が済まない心理状態です。
明確な根拠がなくポジションを持ってしまうため、損失の拡大につながります。
- チャートを見てるとエントリーしたくなる!
- ポジションを持ってない状態では居ても立っても居られない・・・
- とっさにエントリーしてしまい、損切りになってしまった・・・
- クローズした後で考えると、エントリーする必要ないってわかるのに!
このような方は、ポジポジ病に当てはまる可能性があります。
このままでは、利益を積み上げていくのは難しいです。
不利な価格でポジションを持ち、損失になる可能性が高いトレードをしてしまいます。
さらに、損切り水準を設定することなくポジションを持ってしまうことが多いため、上手く損切りできず、損失が大きくなってしまいがちです。
この状態を続けていると、いずれ大きな損失を確定し、FXを続けることができなくなってしまうでしょう。
ポジポジ病の何が問題なのか
ポジポジ病の最大の問題は、以下の点です。
- チャート分析をせずに、安易にポジションを持ってしまう
安易に持ってしまったポジションは、チャート分析をしていないため、エントリー根拠が無く、クローズ根拠もありません。
その結果、以下の理由から、大きな損失につながる可能性が高いです。
- 損失になる確率が高い不利な価格でエントリーしてしまう
- クローズ根拠が無いため、適切に損切りできない
特に、2番目の「適切に損切りできない」ことが、大きな問題です。
良いトレードでは、エントリー時にその後の値動きを予想し、「これくらいまで逆行したらクローズして損切りしよう」とストーリーを考えます。
しかし、「ポジションを持ちたい」という気持ち優先で持ったポジションは、そのような検討がされていないことがほとんどです。
そのため、逆行し損失が出始めたときに、「どうすればよいかがわからない」のです。
ポジションに大きな含み損がでても、価格が戻ること期待しポジションを切ることができません。
その結果、相場から退場につながるような大きな損失につながることも多いです。
逆に、ちょっとした値動きで損切りをしてしまい、損切り貧乏になってしまうこともあります。
このようなことを繰り返していると、一時的に良い結果がでたとしても、継続するうちに損失が上回ってくるはずです。
初心者だけでなく、ある程度結果が出ているトレーダーであっても、なかなかポジポジ病を克服できない人も多いです。
そのような人は、「なぜポジポジ病になってしまうのか」を考えてみましょう。
ポジポジ病になってしまう理由
次のような場面でその傾向が表れやすいです。
- 初心者がある程度慣れを感じてきたとき
- 資金が大きく減少してきたとき
- 相場が激しく動いているとき
このような時に、分析をせず、明確な根拠もない状態で、安易にポジションを持ちがちです。
なぜ、安易にポジションを持ってしまうのでしょうか?
その原因は次の6つに分けることができます。
- ポジションを持っていないと損している気持ちになる
- 取引ルールを決めていないか曖昧である
- 「毎日利益を上げたい」と考えている
- トレードに刺激を求めている
- 損失を取り戻そうとしている
- 自分を過信している
以下では、なぜこれら6つの原因がポジポジ病を引き起こしてしまうのかを解説し、それを防ぐための処方箋を紹介します。
ポジションを持っていないと損している気持ちになる
相場が大きく動いている時、調子がいいときなどにこのような考え方をしてしまいがちです。
ポジションを持っていない状態は「利益を出すチャンスを逃している」ように考えてしまうことはありませんか?
以下のような状況になった時には要注意です。
- 大きく価格が動いているのに、ポジションを持っていない
- 利益が出ている人がいるのに、自分はほとんど利益を上げれてない
- ここ数日、調子よく利益を出せていたのに、今日は何もしていない
⇒処方箋
トレードをしていないことを「機会損失」と感じてしまうことが大きな原因です。
目の前のチャートを見ていると、めったにない大きなチャンスを逃している気がしてきます。
利益をあげている人のコメントを見ていると、自分もとれるはずの利益を逃しているように考えてしまいます。
焦って、飛びついたら、高値買いや安値買いとなり、利益を上げるどころか、逆に損失を出してしまうことがよくあります。
しかし、チャンスは無限に出現します。次のチャンスが来るまで、じっくりと待ちましょう。
相場が落ち着くまでチャートを見ないのも有効です。
取引ルールを決めていないか曖昧である
明確な取引ルールが決まっていないため、安易にポジションを持ってしまいます。
良いトレードでは、例えば、次のようにエントリー根拠とクローズ根拠を事前に決めておきます。
- ドル円が130.2円までさがったら買いエントリーする
- その後、129.6円まで逆行したら損切りする
このようにエントリーするタイミングと、クローズするタイミングは、具体的な価格などで決定しておくのが望ましいです。
これを決めないと、いろんなところがチャンスに見えてくるため、どんどんポジションを持ってしまうことに繋がります。
曖昧な目安ではなく、価格やインジケーターの数値など具体的なタイミングを決定します。
「価格が下がったら買おう」ということだけを考えていると、買いポジションを持った後、価格が下がれば下がるほど、買いポジションを増やしてしまいます。
「毎日利益を上げたい」と考えている
「1日に取りたいpips」や「1日に稼ぎたい金額」を決めてトレードをしている場合に起こります。
とにかく、実績を上げていかないといけないため、すぐにエントリーしてしまいます。
実際のチャンスはそんなに頻度が高くないものですが、1日のノルマがあるため、無理にポジションを持ってしまいます。
ノルマ優先で無理してポジションを持つのではなく、エントリー根拠を持ち、それが満たされた場合にのみエントリーするべきです。
数時間、チャンスが来ないことは普通にあります。
明確な方向性が無い相場の場合は、1日エントリーできないこともあり得ます。
プロや専業トレーダーのコメントでも、「方向がわからないので今日は様子見」というフレーズは、結構頻繁に見られます。
このように、チャンスがあるまでは「待つ」というのがFXの勝ち筋です。
トレードに刺激を求めている
ギャンブル感覚でFXをしている場合に多いです。
FXで結果を残すためには、刺激をもとめてはいけません。
逆に、無感情で、たんたんと、同じことをし続ける、地味な作業がFXです。
刺激とは正反対の作業です。
大きなロット数でエントリーし、激しく損益が増減するのを見るのは、とても刺激的です。
急な値動きを見ながら、一か八かでエントリーするのも刺激的です。
そして、その結果、大きな利益を得られたら、たまらない気持ちになるでしょう。
それは、よくわかります。
しかし、長く続きません。
そのうち、大損します。
損失を取り戻そうとしている
大きな損失を出してしまった後も、ポジポジ病になりがちです。
大きな金額の損切りをした後は、非常に悔しく、冷静さを失ってしまうことがあります。
このような時には、「取り戻したい」という気持ちに掻き立てられます。
そして、損失を取り戻そうとする一心で、安易にポジションを持ってしまいます。
冷静になれず、自分の戦略が間違っていたことを受け入れられていないことが多いです。
その結果、損切りしたばかりなのに「さすがにそろそろ反転するだろう」と考え、また、同じ方向のポジションを持つことが多いです。
さらに、それがうまくいかなかったら、よくわからず、逆のポジションを持ち、持った途端反転し始めて、損切りするという、泥沼に入ってしまうこともありがちです。
自分を過信している
トレードの調子がいい時にもポジポジ病が起こります。
「数日間で大きな利益を出せたとき」や、「一定期間の通算損益で利益を出し始めたとき」などに起こりがちです。
「今のやり方でいける!」、「ついにFXを習得した」、「よし、このままいけば、FXで大成功できる!」など、自分のやり方が、完璧であるかのような気持ちになり、自分を過信してしまう場合があります。
このような状態では、何をやってもうまくいくように感じて、どんどんポジションを持ってしまいがちです。
さらに、損失が出ている場面でも、自分を過信しているため、方向転換することなく、同じやり方に固執してしまいます。
その結果、損失が膨らみ、損切りのタイミングが遅れ、大きな損失を出してしまう事態になりかねません。
また、とても調子よく勝てている時は、平常心を保てていない可能性が高いです。
気持ちが大きくなり、冷静に判断することができません。
「このまま回数を増やせば、もっと利益が増える」、「もっと、大きく勝ちたい」、「このやり方を続ければロットを大きくしても大丈夫」というように気持ちが大きくなりロット数を大きくしすぎて、損失が大きくなるリスクが高いです。
ポジポジ病を解消するための考え方と対策
ポジポジ病になる理由を6つ紹介しました。
それぞれ、原因と簡単な解決方法を記載しましたが、どれも、根本的な原因は共通です。
- 「思わず、思いつきで、ポジションを持ってしまう」
これが主な理由です。
ここでは、それを解消するための対策を紹介します。
エントリールールを作成する
曖昧な方針だけでトレードをしていませんか?
トレードルールでは、以下のようなことを決定します。
- どのようになったら、エントリーを検討するか
- どのようになったら、エントリーするか
- どのようになったら、クローズするか
例えば、「日足と1時間足が上向きの時に、5分足が、サポートラインに達したら、買い」など、具体的に、何がどうなったら、どうするかを、決定します。
そして、チャートを見ながら、そのルールに該当するタイミングになるまで待ち続けます。
また、ルールは、文章化すると、より厳格に従うことができるようになります。
ルールを曖昧に認識していると、自分の都合の良いように解釈をしてしまいがちです。
その結果、あまりいいところではなくても、エントリーポイントとみなしてしまい、ポジションを持ってしまうことに繋がります。
文章化することで、そのような曖昧さをなくすことができます。
短時間足だけでトレードしない
短時間足だけを見てトレードするのはやめましょう。
激しく上下する短時間足を見ていると、思わずポジションを持ってしまいます。
4時間足以上の長時間足チャートを、まず確認しましょう。
動きが比較的安定し、方向性を持って動きます。
長時間足で方向性を決定し、短時間足でタイミングを計り、エントリーするようにしましょう。
1日のトレード回数を制限する
「1日2回まで」等、回数の上限を決めてしまいましょう。
そして、良いポイントが来るまでじっくり待つのです。
ポジポジ病では、エントリーすべきでない場所でも、エントリーしてしまいます。
トレードをしている本人が、実はトレードを有利に行える方法を頭では分かっているのに、そのような場所以外でも、思わずエントリーしてしまうのが、ポジポジ病の問題点です。
そのような場合には、トレード回数を制限するのはとても有効です。
厳選し「ここだ」という場所でのみエントリーすることで、無駄なポジションを持つこと防ぎます。
どうしても我慢できない場合
- 急進しているチャートを見ていると、もったいなくて買いポジションを持ってしまう
- どっちに行くかわからないけど、このまま伸びていくのを取れないのは悔しいから、上がることにかけて持っておく
など「とにかくポジションを持ちたい!」という気持ちはわかります。
どうしても我慢できない場合は、非常に小さいロット数でポジションを持つというやり方をしてみても良いと思います。
口座資金に大きな影響が無いような小さなロットであっても、ポジションを持ちさえすればポジポジ病はかなり収まります。
ただし、不利な価格でポジションを持ってしまい、高値づかみや底値売りに繋がりやすいです。
なので、確実に損切り注文を入れて、損切りになった場合の損失は、織り込んで考えることが大切です。
ポジションを持った時点で、損切り額を口座資金から減らして考えると良いです。
気持ちを落ち着けるために支払う費用と考えてみます。
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