FXの証拠金とは?:FXの基本

FXにおける証拠金とはFX会社の口座に預け入れている資金のことです。
FXでは、証拠金を担保のように扱うことで、実際の資金以上の取引を行うことができます。

この仕組みにより、小額の資金から大きな利益を狙うことができ、資金効率が良い取引が可能になります。
一方で、発生する損失も実際の資金以上に大きくなる可能性があります。

なお、FXの正式名称は「外国為替証拠金取引」と言います。
つまり、FXとは「外国の通貨を証拠金を使用して取引すること」を意味します。

証拠金の仕組み

トレードで損失が出た際の担保として口座に預けておく資金が証拠金です。
あくまで、担保として預け入れているだけです。
なので、FXでは、通貨を購入した時点では、証拠金は減りません

通常、物品などを購入する場合、購入した時点で資金が減ります。
しかし、FXの場合、購入した通貨を決済した時点で資金(証拠金)が増減します。
利益が出たら証拠金にプラスされ、損失がでたら証拠金から減額される仕組みです。

トレーダーがFX会社の指定された口座に入金すると、それが証拠金として扱われます。
そして、トレードの結果によって、増減します。

証拠金が増減する流れ

①FX口座に入金する
入金したトレーダーの資金が、証拠金に変わる

②新規ポジション建てる
新規に通貨を売買した(ポジションを建てた)時点では証拠金は変化しない

③ポジションを決済する
利益が出たら証拠金が増額、損失がでたら証拠金が減額される

証拠金を使用するメリット

証拠金を使用した取引には、投資効率を向上させるメリットがあります。
証拠金を使用することで「手持ち資金以上の取引」が実現できます。
資金が10%増加する取引をした場合、「手持ち資金以上の取引」をすると以下のように利益が変わります。手持ち資金は1万円です。

  • 1万円(手持ち資金のみ):1000円
  • 5万円(手持ち資金の5倍):5000円
  • 10万円(手持ち資金の10倍):10000円

という感じで、手持ち資金だけで取引をしていたら同じ取引を10回連続で行わないと得られない利益を、1回で得ることができるのです。
これが投資効率向上というメリットです。

次は、取引をするのに、具体的にいくらの証拠金が必要になるのかを計算例を使用して説明します。

証拠金はいくら必要か?

ドル円(1ドル=120円)を1万通貨持つ場合、48,000円の証拠金が必要です。

ポジションを持つのに必要な証拠金を必要証拠金と言います。
口座に、必要証拠金と同等以上の金額がある場合に新規ポジションを持つことができます。

上でも説明した通り、「手持ち資金以上の取引」をできることがFXの特徴です。
必要証拠金は、実際の取引に必要な金額よりもかなり小さいです。

FXではなく直接売買する場合、例えば、ドル円を1万通貨買うには120万円が必要になります(1ドル120円換算)。

10,000×120=1,200,000

1万通貨と言えば、最低取引単位としているFX会社も多い通貨量です。
FXでなければ最低限の取引をするにも120万円が必要ということになります。

しかし、FX(外国為替証拠金取引)では、これほどの資金は必要ありません。
最初に書いたとおり48,000円の証拠金があれば、ポジションを持つことができます。

いくらの証拠金が必要かは、レバレッジという仕組みで計算します。
国内の個人用FXでは、レバレッジの最大は25倍と決められています。

つまり、実際の資金の25倍まで取引をすることができます。
逆に言うと、実際に必要な金額のわずか4%の資金でトレードを行えます。
上の例では120万円の4%なので48,000円です。
48,000円の証拠金があれば、120万円分の取引ができるというわけです。

通貨量当たりの必要証拠金は、通貨ペアやレートによって異なります。
こちらのようなページ(必要証拠金一覧、セントラル短資FX)で、通貨ペアごとに、現在のレートにおける必要証拠金一覧を確認することができます。

証拠金によってリスクが軽減するわけではない

証拠金を使用した取引は少ない手持ち資金で大きな金額の取引ができることがメリットです。
必要なお金が小さいので、安全のように感じてしまうこともあるかもしれません。

しかし、実際にはもっと大きな金額の取引をしています
リスクの観点から、そのことを、しっかりと意識することが大切です。

上の例では、使用している証拠金は48,000円のみですが、実際に120万円分の取引をしています。
「120万円分の取引」とはどういう状態か考えてみましょう。

例えば、120万円の通貨を持った状態で、10%の値動きがあった場合、有利な方向への値動きであれば12万円の利益となります。
しかし、不利な方向への値動きであれば12万円の損失となります。

48,000円から10%の値動きであれば4,800円で済みます。
しかし、FXでは12万円になります。
この金額の損失が、実際に発生します。

少額の証拠金しか使用しませんが、あくまで実際に取引しているのは大きなお金です。
なので、利益が出たら大きくなりますが、損失の時にも大きくなります。
場合によっては、口座資金がほとんどなくなるようなダメージを受ける可能性もあります。

証拠金を使用したFXトレードは、ハイリスクハイリターンの取引であることをしっかりと意識しておくことが大切です。

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