FXで結果を出し続けるには、メンタルを安定させることが、とにかく大切です。
怒り、不安、恐怖といったネガティブな感情も、
喜び、自信、高揚感といったポジティブな感情も避ける必要があります。
平常心でたんたんとトレードを繰り返すのが、FXの勝ち方です。
しかし、これは簡単ではないですよね。
「負けが続いてしまっている」とか、
「メディアで言われていた通りにしたのに全然違う動きになった」とか、
「これまで上手く言っていたやり方なのに、急にうまくいかなくなった」
といった状況になると、平常心を保てなくなる人はとても多いと思います。
しかし、このような考え方にならず、平常心を保ちトレードを続けることができなければ、FXで利益を上げていくことはできません。
今回は、FXトレードで平常心を保つための考え方などについて紹介します。
トレードは確率の積み重ねです
FXトレードは、正しいやり方をしたからと言って毎回上手くいくものではありません。
「こうすれば絶対に上手くいく」という鉄板のルールは無いのです。
結果を出してるトレーダーであっても、全てのトレードで利益を出しているわけではありません。
全く同じ考え方でトレードをしていても、利益が出ることがあれば、損失となることもあります。
勝つ確率が高いトレードを繰り返し、勝ったり負けたりしながら、利益を積み上げていくのがFXトレードの基本です。
なので、トレードの結果に一喜一憂してはいけません。
そもそも、FXチャートとは不特定多数の人たちが各自の判断でトレードを繰り返した結果、形作られるものです。
参考にしている情報源、その解釈の仕方、トレードスタイル、トレードの目的、個人の性格など、参加者ごとに、その目的や手段が異なります。
その結果、FXチャートはだれにも予測できない動きをし続けているのが現実です。
そのようなほとんど不規則な動きを繰り返すチャートを相手に、チャートパターンやファンダメンタルズなどを根拠にして「一定期間後には、このようなチャートになっているだろう」という予測を立て、トレードを行います。
その予測の正解率がある程度高いと、繰り返していくうちに利益が増加していきます。
しかし、そのような予測であっても100%ではないのです。
思った通りにならないことも多くあります。
それなのに、トレードの一つ一つの結果に一喜一憂していませんか？
- 一回利益がでたら気が強くなり、雑なトレードをしてしまう。その結果、高値で買い増ししてしまったり、大きすぎるロット数でポジションを持ってしまった。
- 損失がでたら、気が弱くなり、消極的なトレードをしてしまう。少し利益が出たら、利確。少し逆行したら「やっぱりだめか」と思い、損切り。損切りしたら反転したので「やっぱり切らなくて良かった」と思い、再度ポジションを持つも、少し逆行したら損切り。小さい損失が積み重なり、いつの間にか大きな額になっていた。
このように、一つ一つの結果に一喜一憂して感情が動いていたら、良い結果が出ない可能性がとても高くなります。
とはいっても、トレード一回ごとに実際のお金が増えたり減ったりするので、感情が動くのは仕方ないかもしれません。
そこで、一喜一憂しないための考え方を紹介します。
トレードの目的を変えてみる
「トレード結果に一喜一憂しないなんて難しい」という方も多いと思います。
トレードの目的を「利益が出ること」としてしまうと、「お金が増えた」「お金が減った」というのがトレードの結果になります。
これから行うトレードの目的は？
今回のトレードで利益を出すこと
今回のトレードの結果は？
利益が出て資金が増えた、利益を出せず資金が減った
これだと、お金の増減がダイレクトに自分の行動の結果になります。
自分の行動の結果によって、ダイレクトにお金が増えたり減ったりするのに、平常心でいるのはなかなか難しいです。
そこで、トレードの目的は「自分が設定したルールを守ること」と考えます。
すると、トレードの結果は、「ルールを守れた」「ルールを守れなかった」となりますよね。
これから行うトレードの目的は？
自分が設定したルールを守ること
今回のトレードの結果は？
ルールを守れた、ルールを守れなかった
「ルールを守れたことで気が大きくなり大胆なトレードを繰り返してしまった」
「ルールを守れなかったから気が弱くなり消極的なトレードをしてしまった」
こういったことは考えにくいのではないでしょうか？
トレードの結果を自分のお金の増減で判断しているから、その結果に一喜一憂してしまいます。
各トレードの目的はルールを守ることなのです。
「FXをする目的」は利益を出すことかもしれませんが、「各トレードの目的」は利益を出すことではありません。
「利益が出る可能性が高いルールを設定し、それを無心に繰り返す」ことがFXです。
そのルールを守ることがトレード一回ごとの目的です。
なので、トレードごとに考えることは「ルールを守れたか」ということだけです。
利益が出たり出なかったりという結果ではなく、ルールを保てたことが素晴らしい。
「今回のトレードは、安易にナンピンしたくなったけど、耐えて損切りできた」
「今回のトレードは、損失が続いてしまったが、最初のルールに従って、しっかり損切りできた」
このように考えると、次回以降も、平常心でトレードを続けやすくなります。
FXを続けるためには、トレードごとに利益を出す必要は無いのです。
利益の結果は、トレードを振り返りルールを再検討するときに考慮すればよいです。
ルールを守れたことに達成感を感じられるように考え方を変えることが大切です。
とは言っても、なかなかうまくいかないかもしれません。
考え方を変えるのはその考え方が定着するまで時間がかかります。
実際のトレードをしながら定着させていく方法でも良いですが、おすすめの方法はデモトレードです。
トレードごとに一喜一憂してしまうような状態で、トレードを繰り返しながら考え方を変えるのは難しいと感じる方が多いと思います。
そこでデモトレードの環境でルールを守ることを意識してトレードを繰り返すことで新しい考え方が身についてきます。
デモトレードをしたことはありますか？
デモトレードは、仮想の資金を使って行うFXトレードです。
使用するチャートは現実のリアルタイムチャートで、お金が仮想の物であること以外は実際のFX環境と同一です。
もし、FX初心者の方でデモトレードをやったことが無い場合は、一度試してみることをおすすめします。
試したことがある方は、デモトレードでは平常心でトレードできる方がほとんどではないでしょうか？
「身に付けた知識を元にチャートを分析し冷静にトレードタイミングを判断する」
こういった熟練トレーダーのようなトレードスタイルを行うことができます。
この平常心でトレードを行う感覚を、しっかりと身に付けることが大切です。
自分が決めたルールの優位性を確認できるまで、デモトレードを繰り返しましょう。
すると、自分のルールへの信頼感が高まり、トレード時に迷いがなく平常心でトレードできるようになります。
また、自分のルールへの信頼感が高まると、トレードでうまくいかないときにも、心がぶれづらく平常心を保ちやすくなります。
そして、平常心でトレードする感覚が身に付いたら、リアルトレードにチャレンジします。
リアルトレードを始めると上手くいかない問題
リアルトレードでもデモトレードのような平常心を上手く保てれば大成功です。
ルールは自分に合ったものがあればそれで良いですが、順張りベースで「押し目買い」「戻り売り」といった王道のトレードスタイルを平常心で続けていけば、意外と結果がついてきます。
しかし、
「リアルトレードになったとたん、平常心を保てなくなった」
こういう方もいるかと思います。
例えば、以下のような行動をしてしまいます。
「デモトレードの感じで、リアルトレードをやってみよう」
と思い、実際の口座でトレードを行います。
デモトレードと同じやり方、同じ考え方、同じ精神状態でトレードを行うことを誓います。
最初の方は、上手くできるかもしれません。
デモトレードと同じように、利益が出ても、損失が出ても、平常心を保てます。
しかし、だんだんと、それが崩れてくるのです。
「負けが続いて、利益が減っていく・・・」
「さっきまで調子よかったのに、急にダメになってきた・・・」
「デモトレードでは上手くいってルールなのに上手くいかない。おかしい・・・」
という感情が生まれ始め、イライラしてしまい、
「ロット数を増やして損失を取り戻したい」
「調子がいいから一気に大勝ちしたい」
などと考え、ルールと違う行動をし始めてしまいます。
こうなったら、平常心でトレードを進めるのは困難です。
「取り戻す」
「これで行けるはず」
「なんかおかしい」
「思った通りにならない」
「イライラする」
といった感情に支配されてしまっています。
デモトレードでは上手く利益を積み重ねられていたはずなのに、リアルトレードになったとたん上手くいかないのは、このような感情が抑えられていない可能性が高いです。
つまり、トレードごとに一喜一憂してしまっているのです。
デモトレードの時は、勝っても負けても、”平常心”だったはずなのに・・・。
上手くいかなかったら何度もデモトレードに戻ろう
こうなったら、もう一度デモトレードに戻りましょう。
「もう一度やり直しか・・・」と感じるかもしれませんが、やり直しではありません。
今回は、自分の思考のクセがわかっているのでそれを解決するためのデモトレードです。
「こういう場面で、こんな感情になってしまったな・・・」
「こうしなければいけなかったのに、違うことをしちゃってたな・・・」
といった感じで、リアルトレードでうまくいかなかったことを思い出しながら、トレードを行います。
そして、そのような場面でも、平常心を保てる自信を持てるまでデモトレードを繰り返しましょう。
自信がついたら、リアルトレードに再チャレンジします。
これの繰り返しです。
最後に、スイングトレードなどでデモトレードのような平常心を保つための力業の対策を紹介します。
平常心を保つための対策
スイングトレードといったトレードスタイルでは、チャートを常時見ている必要はありません。
注文さえ入れてしまえば、後は確認しなくても、勝手に決済されます。
なので、対策というのは、
「注文を入れたら、取引プラットフォームを閉じて開かない」という方法です。
「ポジションを持って、損切り、利確の注文を入れたら、もう取引プラットフォームを開かない」
という最優先のルールを決めてしまいます。
人間が持つルールを守る精神力は容量が決まっているような印象があります。
たくさんのルールがあると、一つ一つに向けられる精神力が小さくなり、ルールを破ってしまいやすくなります。
しかし、絶対に守るルールを少なく設定していれば、意外と守れるものです。
「いろいろ考えずに、注文を入れたらプラットフォームを閉じる」
これだけで、「平常心を保てない原因」をかなり解決することができます。
